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ももクロメンバーの人生が変わる瞬間 ~『幕が上がる』を読んで~

ももクロ主演で「幕が上がる」映画&舞台化 - 音楽ナタリー

このニュースを見たとき、僕はこう思った。

 

平田オリザ本広克行なんて有名どころ使いやがって…はいはいどうせモノノフで埋まるんでしょ」

 

平田オリザさんは、数年前「東京ノート」を読んでみたものの、予想以上に静かな内容で、途中で挫折したという苦い思い出しかない。その時の印象から今作もどうせ似たような感じなんだろう、と決めつけていた。

 

だから今回のニュースを見ても、それほど興味を惹かれなかった。


だけど、なぜだろう。
なぜだか分からないけど、「幕が上がる」を試しに読んでみようと思った。
偶然kindleでセールをしてたので思わず買ってみた。

 

読んでみた。

 

止まらない。
電車の中で読み始めて、駅についても読むのを止められなくて、歩きながら読んで、ご飯を食べながら読んで。

一気に読んでしまった。

やられた。
最高だった。

 

本を読んで、久しぶりに心底感動した。

 
 

こんな最高の素材を、ももクロちゃんが演じる。

 

しかも舞台で。

 

こんなの観に行かないなんてあり得ない。
どうやってでも観に行きたい。

 

なぜなら、この舞台は、絶対に、
ももクロちゃんの大きなターニングポイントになるから。

 

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純粋に作品として楽しみたいのであれば、原作を読んでいかない方が楽しめるかもしれない。ここまで衝撃を受けたのは、演劇経験の思い出補正による部分も大きいと思う。
ただ、僕の場合は、読んでよかった。
原作を読んで、ももクロちゃんがこの作品に臨む意味を考えると、別の見方が浮かび上がってくるからだ。

 

ネタバレにならない程度に書こう。

 

「幕が上がる」は、高校演劇部が全国大会を目指す物語。
どこにでもある、青春物語の一つのようにも見える。

平田オリザという著名な劇作家(=演劇経験者)が、これを書いている、というのは非常に大きい。書かれているのは、演劇に身を投じた人の思い、心の葛藤、舞台に向けての心境、関係。すべてリアルだ。とても細かく、子細に、登場人物一人一人の心が描写されている。

 

作中の登場人物の心模様とか、関係性とか、行動とか、すべてが体験してきた演劇生活の中で身に覚えのあることばかり。彼らは本当に「舞台を創っている」のだ。

 

物語自体も後半の疾走感や、「演劇」という競争者間の強弱が曖昧な世界での展開の読めなさに、何とも言えない緊張感が張りつめていて最後まで飽きさせない。

 

演劇に魅入られ、成長していく高校生の姿を、実際に演劇に魅入られてその世界に身を投じている作者が描く。演劇の魅力のすべてが詰め込まれた物語といえよう。

 

 

作中、ある登場人物が言う。

 

「演劇は人生を変えてしまう」

 

確かにそのとおりだ。

 

僕の周りでもたった数年の劇団活動でその後の進む道が大きく変わった人が数多くいる。劇団を立ち上げた人、演出家・役者を目指した人。ドラマを作っている人。エンタメの世界に飛び込んだ人。
僕自身はそれほど劇的に変わったわけではないけれど、今でも色々な考えの拠り所とか根本の大きな部分を占める経験であることは間違いない。

 

確かに、演劇は人生を変えてしまう可能性があるものだと思う。

 

そして、そんな演劇を題材にした作品を、
ももクロちゃんが、舞台の上で、演じるのだ。

 

もしかしたら、これは、やったことのある人にしか分からない感覚かもしれない。
これから映画や舞台を見る人にとっては、関係ないかもしれない。

 

でも、だからこそ、確信している。
なぜなら、ももクロちゃんは、これからその「演劇」を経験するのだから。
人生を大きく変えてしまう舞台に身を投じるのだから。


この舞台を終えた後、ももクロちゃんの誰かの人生が変わるかもしれない。

 

その瞬間を、僕は、どうしてもこの目で見たい。
2015年5月。今からとても楽しみだ。

 

 

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